慢性疼痛の原因は「脳」にある…?「東洋医学ホントのチカラ」本日放送
本日【東洋医学ホントのチカラ】で、最新の脳科学で鍼の効果が解明されたという内容が放送されます。
概要
近年、慢性疼痛に悩む人において、脳の機能が変化することによって身体的な原因が無いにも関わらず痛みを感じるケースが知られています。
そこで、慢性腰痛患者に鍼で「頭」や「手足」を刺激したところ大きく改善が見られました。
なぜ「頭や手足への鍼治療で腰痛の改善」が見られたのか、慢性腰痛治患者が鍼治療を受けた時の脳の活動をMRIで分析したところ、痛みが改善した患者の脳では痛みを抑制する機能を持つ場所に変化が現れました。
つまり、鍼治療によって脳の「痛みを抑制する働き」を回復させていたことが判明しました。
【東洋医学ホントのチカラ】1月10日(月)19:30~NHK総合
当院で行う治療法のひとつに「DLPFC治療」というものがあります。
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DLPFCとは
DLPFC(dorsolateral prefrontal cortex:背外側前頭前野)とは脳の一部。痛みの回路を抑制し興奮を沈める司令を出しネガティブな感情をコントロールする所。慢性痛患者ではこの仕組みが衰え、痛みの回路の興奮が収まらず、身体的な原因が無いにも関わらず痛みを感じてしまう。また、痛みが長引くほどDLPFC体積の減少や機能低下が見られる他、うつ病患者でも同様に減少縮小が見られる。(うつ病患者の30.6%が慢性疼痛を抱えているとも言われている)
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本来痛みは脊髄神経の電気信号によって脳に伝えられ脳の神経細胞が興奮して「痛みの回路」が出来ますが、脳で感じる痛みを沈める役割をしているのがDLPFCです。
【DLPFCの機能回復に対応する頭の経穴(ツボ)への刺鍼】
・胸鎖乳突筋(首の筋肉)の緊張している場所
・鼠径部の硬さ
・季肋部(あばら沿い)の緊張 などからツボを選び4~6本ほど鍼を打ちます。
また、慢性疼痛を訴える方の殆どが交感神経過緊張(緊張状態)でもあるので、緊張を緩めるための鍼や灸も同時に行います。前述の通り、うつ病はじめ心の状態が不安定な方もDLPFCの機能低下が見られますので、心因性の諸症状にもよく使う治療法です。
【さいごに】
鍼灸含む東洋医学は伝統医学です。
その長い長い長い歴史で培ってきた治療法が、このように科学的に解明されることはとても嬉しいことです。
鍼灸って面白いかも?と感じる人が一人でも増えることを願っています。
「健やかな毎日へ、鍼灸治療という選択を。」
私はそんな思いで日々発信しています。
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