卵子の成長のおはなし
「卵子の成長」と聞くとどれくらいの期間を想像するでしょうか。
・月経終了から排卵までの1週間?
・前周期の排卵から次の排卵までの1か月間?
月経周期に合わせてひとつ大きくなり排卵、また次の周期でひとつ大きくなり排卵…とイメージしそうですが実はそうではありません。
今回はそんな卵子の成長についてお話します。
一生分の卵子を持って生まれてきます
女性は一生分の卵子のもと(原始卵胞)を持って生まれてきます。
卵巣内の原始卵胞数
- 胎生5か月頃…600~800万個
- 出生時…100~200万個
その後年齢とともに減少し、 - 思春期…10~30万個
35歳を超えると減少率が加速し、0になると閉経を迎えます。
卵胞の発育過程
卵胞の発育は、
- 原始卵胞(primordial follicle)
↓ - 一次卵胞(primary follicle)
↓ - 二次卵胞・前胞状卵胞(preantral follicle)
↓ - 二次卵胞・胞状卵胞(antral follicle)
↓ - 成熟卵胞(mature follicle)
と成長し排卵にいたります。
では、原始卵胞はどのくらいの時間をかけて排卵の状態にまで成長するのでしょうか。
(病気が見えるvol.9婦人科・乳腺外科より引用)
卵子は180日以上かけて成長します
出生前から体内にいる原始卵胞。
その原始卵胞たちは自分の成長の出番が来るまでその姿のままずっと眠って待っています。
- 原始卵胞~前胞状卵胞
思春期を迎える頃から、一か月に数百~一千個ほどの卵胞が同時に目覚め、自発的に前胞状卵胞まで育ちます(ゴナドトロピン:性腺刺激ホルモン非依存性)。その期間は様々な見解がありますが概ね120日以上といわれています(中には一年以上という説もあります)。 - 前胞状卵胞~胞状卵胞
前胞状卵胞から胞状卵胞へは、ホルモンの影響を少し受け約70日かけてゆっくりと発育していきます(ゴナドトロピン依存性)。 - 胞状卵胞~成熟卵胞(グラーフ卵胞ともいいます)
胞状卵胞になるとホルモンの影響をたくさん受けて14日~20日で急速に成熟卵胞へと成長します。 - 成熟卵胞~排卵
成熟卵胞の中で一番ホルモンの反応が良かった卵1つ(まれに2つ)が主席卵胞となり排卵にいたります。
この一連の成長過程において、目覚めた卵胞すべてが成熟卵胞になるわけではありません。
成長途中で卵たちはどんどん消退していき、3の胞状卵胞になる頃には3個~20個ほどになっています(年齢や状態により大きく異なります。また多嚢胞性卵巣症候群の場合は異常高値になります)。
- ちなみに不妊治療の検査項目にある「AMH(抗ミュラー管ホルモン)値」のAMHというホルモンは前胞状卵胞の顆粒膜細胞という所から分泌されています。
さいごに
仮に今日排卵があったとすると、その卵はどんなに短く見積もっても半年以上かけて育った卵子なのです。
この半年間、どのように過ごしていましたか?
- ご自分の体調は二の次で忙しい毎日ばかり送っていませんでしたか?
- ストレスを自覚しながらもだましだまし生活していませんでしたか?
- どのような食生活・運動をしていましたか?
改めて言いますが、卵子は月経周期ごとにリニューアルされているのではなく、相当な時間をかけて育っています。
このコラムが、生活習慣を振り返りご自身をいたわるきっかけになれば幸いです。
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鍼灸師 河北景子
NPO法人日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー
(社)日本腸活体質改善アカデミー協会®認定講師
(財)腸内細菌学会員
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妊活サポート鍼灸
自律神経失調症
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