皆さんの故郷はどこですか。
近くでしょうか。
遠く離れた場所でしょうか。
私の故郷は四国・高松です。
本州と四国を結ぶ“夢の橋”が造られようとしていた昭和54年、私はこの地で生まれました。
珍しく雪が降る、とても寒い日にだったそうです。
高校卒業までの18年間と、
大学から戻って数年。
私は高松で過ごしました。
兎も小鮒もいない、
何の変哲もない住宅街。
けれど帰るたび、
懐かしい空気がそっと私を包みます。
幼い頃から変わらない書店。
友人と笑い転げた通学路。
遠くを走る電車の音。
そこにあるすべてが、
静かに「おかえり」と言ってくれるようです。
私も一人の人間です。
思うようにいかない日も、
がんばっているのに報われないと感じる日もあります。
そんなとき、
ふと故郷を思い出します。
あなたにも、ありませんか。
理由はうまく言えないけれど、
思い出すだけで少し肩の力が抜ける場所。
あのときの自分に戻れるような、
安心の記憶。
日々忙しく、
なかなか帰れないのですが。
それでも、
私の中にはあの街があります。
何気ない日常の中で育った安心感が、
今も静かに、
私の軸になっています。
だからこそ今、
誰かにとっての“帰れる場所”のような存在でありたいと思うのです。
ほっと息をつける時間を
そっと差し出せる人でありたい。
私の故郷がそうであったように。
今度は私が、
誰かの安心になれますように。
あなたにとっての帰れる場所は、
どこですか。


